フライ ミー トゥー ザ ムーン

仕事と子どもに関する喜怒哀楽を中心に

私は頑張りたい

個人的な実感としては、子育て中の母親を取り巻く最近のメディアは「頑張らない育児」を勧めるものが多い。「頑張らない育児」が実際行われているかどうかは別として。

息子が乳児だった頃、私はきっと育児ノイローゼになりかけていた。離乳食の時短や掃除の手抜きを推奨する育児雑誌を読んでも気持ちは晴れなかった。365日24時間の理不尽な仕事に、労働に見合った対価のない日々に心底絶望していた。迷った末に地域の相談所に電話をしたら、セオリー通り私の苦しみに共感され、相槌をうたれ、最終的には「お子さんをパパに預けて息抜きをしては」という提案がされた。母親の苦悩の解決策が単に「手抜き」や「息抜き」だなんて。(この苦悩は別の形で解決し、今は理不尽さがあるのが人生だと思っているが、それはまた違った話)

親の思惑が、子どもにとって良いことだとは限らないのと同じように、
子どもが喜ぶことが常に子どもにとって良いことだとは限らない。
喜ばせることなんて簡単だ。大好きと言われるのは簡単だ。

だけど、私は頑張りたい。喜んでもらえないご飯も手をかけてつくる。栄養バランスを考え、品数は少なくても丁寧に作りたい。たまには外食もするし、買ってきたお惣菜を食べるけれど、目指すところは心を込めた料理だと思っていたい。洋服にアイロンはかけないけれど、丁寧に畳みたい。眉間にしわをよせながら、時に苛々しながらも生活のディテールを大切にしたい。それが私のやりたいこと。

私もやるから皆頑張れという話ではなく、頑張っていることをいけないことのように考えないで欲しい。母親の苦悩をただの頑張り過ぎと決めつけないで欲しい。